金融の未来を考えるブログ

  • Basel III緩和について
    Basel III endgameに関して、G-SIB surchargeを緩和するというCFTC議長のコメントがRisk.netで紹介されている。これは今週三日間に渡って開催されたISDAの年次総会でのコメントだが、こ … 続きを読む
  • 担保のための流動性確保に関するFSBレポート公表
    先週4月17日に、マージンコールに備えた流動性確保に関する市中協議文書がFSBから公表された。昨今急激な市場変動により巨額のマージンコールが発生し、それによって危機が増幅したため、その対応策を主に8つにまとめての提案して … 続きを読む
  • リサーチアンバンドリングの撤廃
    予想通り、今週水曜4/10に、リサーチアンバンドリング撤廃案が英国当局から公表された。金融の細かい規制については日本の新聞ではあまり詳細に報じられないが、この件だけは、比較的日本の新聞でも記事として扱われる。 市中協議を … 続きを読む
  • マージンコールは銀行貸し出しで
    投信ファンドを担保に資金を借り、マージンコールに充てるというスキームの検討が進んでいると報じられている。2022年の英国債ショック時に、マージンコールに応えるために国債の売却を余儀なくされた経験を踏まえて、様々な対策が検 … 続きを読む
  • やはり円安基調は変わらないのか
    米国の年3回の利下げ観測が急速にしぼんできた。現時点では年2回がメインシナリオになり、スワップ市場で織り込まれている予想利下げ幅も60bpになっている。 CFTCのデータを見ても先週更に先物のショートが追加されており、C … 続きを読む
  • 新NISAはお金の流れをどう変えるか
    JSDAの2024年2月末のNISA口座開設・利用状況が公開された。新NISAが始まりどの程度の資金が流れてきているのか関心が集まっていたが、確かに口座開設、買付額ともに大きく伸びている。 証券会社10社(大手5社、ネッ … 続きを読む
  • 英国の決済期間T+1化が確実になった
    米国の決済期間T+1化を受けて、英国でも決済期間短縮化のためのタスクフォースが設立され議論が続けられてきた。そのタスクフォースの提案に対する政府コメントが先週3/28に出されている。遅くとも2027年までにT+1化を実現 … 続きを読む
  • 資本規制における標準法の広がりと金融リスク管理の将来
    米国の本格施行を来年に控えて、Basel III Endgameの話があちこちで聞かれるようになってきた。今回の変更によってかなり大きなインパクトが出るという報道も多いため、どのビジネスが最も割を食うのか、縮小せざるを得 … 続きを読む
  • 中銀の緊急資金供与とStigma問題
    ほとんどの国には、銀行が流動性危機に見舞われたときに一時的に緊急資金供給をするプログラムがある。ただし、これを利用したことが公になると、その銀行が危ないのではないかという憶測を呼ぶという恐れが常に付きまとう。おそらくSt … 続きを読む
  • CDSのクレジットイベント決定委員会のルール改正
    ISDAがCDSのDC(Determination Committee)の制度改革に向けて意見募集をしている。このDCはクレジット・デリバティブ決定委員会のことで、CDSのクレジットイベントは判定するための委員会だ。第三 … 続きを読む

「金融の未来を考えるブログ」への7件のフィードバック

  1. JSCC LIBOR廃止に関して「レートが確定していても、変換日にPaymentを迎えていないLIBOR参照のキャッシュフローについてはTONA-OISとして金利計算、支払いを行うとある」
    とのことですが
    ISDAのは①FIXINGされてものはLIBOR、12/31以降はFALLBACK利用する➁すでにFIXINGされていれば次回のリセット日までLIBOR利用できるイメージでしょうか

    弱小銀行でLIBOR廃止対応することになって、周りに聞けなくてご教示のほどよろしくお願いいたします。

    1. はい。私もその理解でした。Libor Fixingが終わっていれば、それをRFRに後で変更しないという理解です。

      なのでCMEのやり方は相対取引と整合的になり望ましいということだと思っていました。実際のプロトコルを確認していないのですが、もしどなたか違っていればご教授頂ければと思います。

  2. いつもブログを拝見させていただいております。ありがとうございます。
    数点、XVAデスクに関して質問させていただけますと幸いです。
    ①以前の投稿で、「XvAデスクが金融機関の命運を握る」と記述されておりましたが、今後も当該デスクは金融機関にとって重要なポジションである続けるとお考えになりますでしょうか。また当該ポジションが将来的には需要が消失してしまう可能性に関していかがお考えになりますでしょうか。理由や背景なども含めてご教示いただけますと幸いです。
    ②XvAデスクに対する興味関心が高く、将来的に社内異動などで行ければと考えております。当該ポジションの転職市場等における扱いに関してはいかがお考えになりますでしょうか。また基本的には銀行(商業銀行)と証券会社において設置されるチームであると考えますが、銀行と証券会社におけるXvAデスクの役割の違いに関してもご教示いただけますと幸いです。
    ③XvAデスクに仮に異動出来たと仮定して、どのような経験を積むことが出来れば将来的に市場価値が高い人材になることが出来るとお考えになりますでしょうか。また普段の業務の中で管理人様が感じる業務の醍醐味と大変な点に関してもご教示いただけますと幸いです。

    海外ではXvAデスクの導入がかなり進んでおり、業務経験者も多いイメージですが、日本ではまだまだ発展途上で、業務経験者も少なく情報がなかなか獲得できないというのが実情です。
    上記3点に関してお手すきの際にご回答いただけますと幸いです。
    よろしくお願いいたします。

      1. 管理人様

        当該質問をテーマとして取り上げていただきましてありがとうございます。大変参考になりました。

        XvAトレーダーは業務の範囲が広く、そもそものデリバティブ取引に関する知識に加え、マーケット慣行、担保取引、CCP、金融規制(特に証拠金規制やバーゼル規制)、金融機関のバランスシートや資金調達を含む会計知識など様々な知識が要求され、知的好奇心を擽られる大変興味深い業務であることを改めて理解出来ました。

        引き続きよろしくお願いいたします。

  3. いつも記事を大変参考に見ています。一旦質問があり、いわゆる『この取引はバランスシートを使う、バランスシートコストが高い』というのを聞くのですが、具体的に1.どのような取引がバランスシートを使う取引なのか、2.その取引を行った時のバランスシートコストとはどのように計算されるのか、3.関連する規制についてお伺いできればと思います。

    1. いつもご愛読ありがとうございます。
      確かに現場では一般的にバランスシートを使うという言い方をしてしまうのですが、厳密には幅広い意味が含まれていると思います。バランスシートなので国債や社債を銀行勘定で持つとか、レポを行うというのが最もバランスシートを使う取引になります。一方スワップなどはMTM分がバランスシートに乗るので(一部PFEが含まれることもありますが)、国債を保有するのに比べたバランスシートのUsageは低くなります。
      バランスシートの計算方法は指標によって異なりますが、その国の会計規則によって決まります。米系であればGAAPによるバランスシートがメインなのですが、広義にSLRなどのレバレッジエクスポージャーをバランスシートの意味に含める人もおり、私も無意識のうちにSLRをバランスシートの意味で使っていることが多いかもしれません。厳密にはバランスシートではないですが、もっと広げてBasel3 Standard、Basel3 Advanced、CCARなどを含めるケースもあり、GSIBスコアなども含めて使う人もあるかと思います。関連する規制は会計規則とレバレッジ比率規制が主ですが、人によってはNSFR、LCR、その他Basel関連の指標を含める場合もあります。
      あまり厳密に定義せずに使ってしまっていましたが、私の場合は基本は会計上のBSであるももの、たまにSLRを加えるくらいのイメージでした。

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2012年から金融規制・市場最新動向をお届けしてきました。今般アメブロから引っ越してきました。